実鳥森の少年の初恋
すれちがい
春休みも終わって、小学6年生になったジンとマイですが
クラス替えがあって、別のクラスになっていました。
ジンが1組でマイが6組なので端っこです。

そのせいもあって、意識しすぎもあるのか
いっしょに帰る日が減ってしまい
ジンは、悶々とした日々です。

勇気を出してマイの教室に会いにいくと周りの
マイの友人たちに、からかわれるので
恥ずかしいのです。

なぜか、キャーキャー言う
マイ以外の女の子って苦手だなと
ジンは、思っていました。

マイも、ジンのことが気になりながらも
新しくできたクラスメイトで仲良しのみゆと
今日もいっしょに帰ってしまっています。

「ねぇ、マイ、ジン君は、マイの彼なの?」
みゆが突然聞いてきます。

「え、そ、そんな、彼じゃないよ。お友達だよ」
言いながら顔が真っ赤になるマイです。

「彼じゃないの?そうなんだ。仲がいいから
彼氏なのかと思ってたよ。ジン君、かっこいいよね。
ちょっとクールな感じで無口だし。人気あるみたいよ」
みゆが言います。

「人気あるんだ。そっか。知らなかった・・」
マイは、ショックな様子です。

「だから、早めに好きなら好きって言ったほうがいいよ」

「そんな、ジンの気持ちもわからないのに」

「好きなんじゃないかな?時々くるし」
みゆが、言います。

「そんなことないよ。それに私もわからないし・・」
うつむきながらマイは耳まで真っ赤です。
最近、きてくれないしと思っているのは
みゆには内緒です。
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