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第1章 切れ者部長の改革
切れ者部長の改革



「アメリカから切れ者部長が来るんでしょ?」
「しかもイケメンで独身」
「早く見たい」



 切れ者部長…。この緩い部署へ就いてくれる事を切に願う。



『おはようございます』
「海(ウミ)ちゃん!」
『どうされましたか?』



 今日も泣き言を…。こんなのが営業マンなんて…本当に緩い。



 大方得意先を怒らせたのだろう。怒らせる事はあるだろう。しかし自分で何とかするのが一社会人だろう。



「藤岡社長を怒らせちゃってさ」



 大得意先を怒らせるなんて…。何でこの人に任せるのよ…。



 緩部長に緩社員…。切れ者部長が来ない限り此処は終る。もっとも切れ者部長が緩みきった此処へ来る方が可笑しい。



 もっと精鋭部署へ就くだろう。こんなお荷物部署…影では陸の孤島(左遷)とも呼ばれてるし。



「海ちゃんしか頼れる人居なくて」
「自分で何とかしろ」



 誰かが間に入った事で視界が遮られた。ダークな色のスーツのお陰で暗幕のようだ。



「君は麻生 穂高(アソウ ホダカ)君だね」
「はい」
「貴女は君島 海(キミシマ ウミ)さんだね」
『はい』


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