Who am l?
その時――誰かが私の手を掴んだ。
私の口から奇声が漏れる。
私は腕を掴まれたまま、隣のベッドに押し倒された。
目の前にはパッチリと大きな目をあけた神崎が居た。
あぁ…コイツの顔を童顔にしているのはこの目だ、とか状況に合わない事を考えながら、私はやっと今起こった事を半分程度、理解する。
「……起きてたの?ね、熱は……」
私がそう言いかけた時点で神崎が押し倒されている私の上に体を重ねた。
いや――「重ねた」のではない。
私の体の上で具合の悪さのあまり寝てしまった、という方が正しいのであるが……
「いや、ちょっ…」
私と神崎の体が密着している事に変わりはない。
神崎は私の首筋に顔をうずくめ、停止した。
「寝たの!?え!神崎!」
私は神崎の耳元で、鼓膜が破れない程度に叫んだ。