いつか必ず…
テスト
時は少しずつ穏やかに流れ、5月中旬。
私のことを呼び出した2人の女子は退学したと、広田先生や風の便りで聞いた。
「テストだぁぁぁぁ!!!!!」
…今、陽くんが嘆いている。
初夏の爽やかな風を感じる度にもうすぐテストだと感じられる。
そして、陽くんは、勉強をしなかったからかなり切羽詰まっているようだった。
「…陽くん、まだ一週間あるから頑張って…」
…同じ境遇の持ち主でも冬也くんはちゃんと勉強してるのに、陽くんはどうしてこんなんなのかなぁ…
「俺、悠梨ちゃんじゃないから一週間じゃ無理だよ!!
どうして冬也はちゃんと勉強してんだよ!!」
…そう言われてもね…
「そりゃ、留年と言うものがあるからだろ。」
いきなり冬也くんが話に加わってきた。
「冬也、昔全く勉強しなかったのにかわったよなぁ。」
「陽。
余計なことは言うな。」
…あ。
そうだよね、元ヤンだから昔は勉強しなかったんだ。
「陽くん、冬也くん。
那月も誘ってさ、放課後勉強会しない?」