君への小さな想いを掲げて *a sequel*
【1】夢

夢を見た。


大好きな彼の夢を。


「はぁ…。」

何回目なんだろう。

高野瀬希凛、19歳。

私は最近、彼の夢を何度も見る。

彼が医師免許を5年でとる、と言っていた言葉が頭に残っているのは確かだ。


実際にあれから5年経った。

2年くらい前にさすがに5年は無理だろうと私もあきらめていたのに。


実際に経ってしまうと、あきらめていたものが沸々と込み上げてきてしまうらしい。


…いい加減にしないと。


5年前からずっと私は彼への想いが断ち切れないでいた。


最近、やっとあきらめられると思っていたのに。


夢が私にあきらめるな、と言っているかのように毎日彼の夢を見る。


「しまった。急がないと。こんなこと考えてる場合じゃないな」


自分に言い聞かせて、私は身支度をし、家を出た。









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