碧い月夜の夢
【2】
【2】
本当に、目が覚めた。
視界に入ってきたのは、いつもの見慣れた天井。
その途端、また頭痛だ。
「……そう言えば、この頭痛の原因…レオンに聞いておけば良かった」
頭を押さえながら、凛々子は呟く。
まぁ、いつもよりは断然目覚めが良かった。
恐怖だけが残っているいつもの感じとは違い、何処かスッキリとしている。
レオンに会えて、あの夢の世界を少し理解したからなのだろうか。
時間は朝の6時。
7時にセットした目覚まし時計はまだ鳴っていない。
今日のガソリンスタンドのアルバイトは9時からだから、出勤までにはかなり時間がある。
だが、とても二度寝をする気分にはなれなかった。
ここで眠ってしまって、また夢の世界に逆戻りしたくなかった。
もしもずっと眠らなければ、もうあの訳の分からない世界に行くこともないのだろうか。
「眠らない人間なんて…いないよねぇ」
人間には、睡眠が必要不可欠だ。
頑張って何日か眠らなかったとしても、絶対に仕事に支障が出る。
天井をボケッと見つめながら、凛々子は改めて夢の中の出来事を思い出していた。
レオンが住んでいる世界、テルラ。
そして、その世界を破壊する存在、アルマ。
どうしてこんなことになったのかレオンはまだはっきりと教えてはくれなかったが、自分は、そんな世界と夢の中で繋がってしまった。
まさに言葉通り、夢のような話だったが。
時折見せるレオンの悲しそうな表情と碧い月明かりが、やけに印象に残っている。
生まれた時から平和なんて体験したことがない、とレオンは言っていた。
テルラの人達は、アルマと戦争でもしているのだろうか。
そんな世界は、凛々子には全く理解出来ない。
軽くため息をついて、凛々子は起き上がるとロフトから降りて、シャワーを浴びるためにバスルームに向かう。
☆ ☆ ☆
昼間のガソリンスタンドのアルバイトを終えて、夜のバイトであるカラオケボックスの出勤時間まで、二時間の余裕があった。
わざわざアパートに帰ってまた出てくるのが面倒で、それまで、カラオケボックスがある繁華街の近くの大型ショッピングモールで、凛々子は時間を潰す事にした。
本当に、目が覚めた。
視界に入ってきたのは、いつもの見慣れた天井。
その途端、また頭痛だ。
「……そう言えば、この頭痛の原因…レオンに聞いておけば良かった」
頭を押さえながら、凛々子は呟く。
まぁ、いつもよりは断然目覚めが良かった。
恐怖だけが残っているいつもの感じとは違い、何処かスッキリとしている。
レオンに会えて、あの夢の世界を少し理解したからなのだろうか。
時間は朝の6時。
7時にセットした目覚まし時計はまだ鳴っていない。
今日のガソリンスタンドのアルバイトは9時からだから、出勤までにはかなり時間がある。
だが、とても二度寝をする気分にはなれなかった。
ここで眠ってしまって、また夢の世界に逆戻りしたくなかった。
もしもずっと眠らなければ、もうあの訳の分からない世界に行くこともないのだろうか。
「眠らない人間なんて…いないよねぇ」
人間には、睡眠が必要不可欠だ。
頑張って何日か眠らなかったとしても、絶対に仕事に支障が出る。
天井をボケッと見つめながら、凛々子は改めて夢の中の出来事を思い出していた。
レオンが住んでいる世界、テルラ。
そして、その世界を破壊する存在、アルマ。
どうしてこんなことになったのかレオンはまだはっきりと教えてはくれなかったが、自分は、そんな世界と夢の中で繋がってしまった。
まさに言葉通り、夢のような話だったが。
時折見せるレオンの悲しそうな表情と碧い月明かりが、やけに印象に残っている。
生まれた時から平和なんて体験したことがない、とレオンは言っていた。
テルラの人達は、アルマと戦争でもしているのだろうか。
そんな世界は、凛々子には全く理解出来ない。
軽くため息をついて、凛々子は起き上がるとロフトから降りて、シャワーを浴びるためにバスルームに向かう。
☆ ☆ ☆
昼間のガソリンスタンドのアルバイトを終えて、夜のバイトであるカラオケボックスの出勤時間まで、二時間の余裕があった。
わざわざアパートに帰ってまた出てくるのが面倒で、それまで、カラオケボックスがある繁華街の近くの大型ショッピングモールで、凛々子は時間を潰す事にした。