わたしの意味
弐拾
わたしは翌日…

手紙を出して卒業式に向かった。

懐かしい風景、懐かしい街を、
ゆっくりと見ながら歩いていく。

もうこれで見納めなんだ。


大学の正門に着いた。

スーツに着物、袴姿の人たちで学校は、
いっぱいだった。

人混みをかき分けて前を進む。

と、そこに…

ぽっかりひとの輪ができていた。

誰か立っている。

こちらを向く。

あれは…りょうさんだった。

りょうさん!

わたしは小走りに近づいていく。

近づくにつれて…

りょうさんの手元に何か見えた。
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