何度でも何度でも…

5日目

「じゃ、お世話になりました」

「また来てね、海斗君」

次の日、学会の続きのために海斗は早々と家を出た

希央の言葉に頷きつつ、海斗はシンプルな愛車に乗り込む

海斗の車が見えなくなるまで、ジーパーンにパーカー、クロックスという女子力ゼロの格好で見送ったしるふはそっと空を見上げる

吹く風は春の温かさを帯びて、気持ちがいい

頬に春の到来を感じつつ、

きっと白鳥さんの前でこんな恰好はできないな、と思う

やきもちを焼いてほしくてちょっといじけてみたり

甘えたり

寝ぼけてショーパンにタンクトップというアブナイ恰好で出迎えることも

冗談を冗談だとお互いにわかりながら言いあうことも

ちょっとしたしぐさや言葉に微笑むことも

安らぎを得ることも

何があっても信頼することも

きっと海斗だからできること

見上げた空にいつかの空が重なった気がして、しるふはふと瞳を細める

気づけば、海斗は隣に居た

でもそれはあたりまえじゃない

それを忘れちゃきっと見える思いやりも愛しさも見えなくなってしまう

ちゃんと繋ぎ止めておかなくちゃ

いつも笑顔でいられるように

ずっと二人でいられるように
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