鉛の恋模様


部室に入った所で二人っきりとなってしまう訳だが、コイツと見つめ合うのだけはなるたけ勘弁願いたいので、特に興味もない飾ってある賞状やトロフィーを眺める。

強豪だと噂なだけあって無駄に多いな。


「怜、こっち見ろよ」

「話は聞いてるから、さっさと言って。」
「…ホントに冷たいな」

「今更だね」




目を見るよう促されても応じない。
通常、人と話す時は目を見るのは当たり前のルールかもしれないけど、先にルールを破ったのはコイツだ。

文句言われる筋合いはないよ。




「じゃあ、そのままでいいから聞いてくれ。あの別れるってメールは何かの間違いなんだろ?」

「え?」

「俺さ、自分で言うのもあれだけどモテるじゃん?でも怜は彼女だし特別優しくしてきたつもりなんだよ」

「は?」

「最近部活とかであんまり構ってやれなかったからそれで拗ねてあんなメールしたんだろ?わかってるって」

「………」




此方の説明を聞かず自己完結した男。


もう完璧だめだコイツ



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