「柚様、朝餉の御膳をご用意いたしました」


 翌朝、由良が部屋に入ると、寝台を隠す薄絹の天蓋が人影でゆらゆらと揺れた。


「柚様、もうお起きにならないと……きゃあ!」


 由良が寝台に向かって話しかけると、起き上がり天蓋を開けたのは、寝巻き姿の暁だった。


暁の胸元の衣は少し着崩れしており、朝の気怠げな様子はとても色っぽい。


「たたたた、大変申し訳ありませんっ! まさか帝がまだいらっしゃるとは思わず……」


 由良は真っ青になって床にひれ伏した。


「良い。余はちと寝すぎたようだ。公務に遅れては貴次にまた叱られるところだった。起こしてくれてありがとう」


 由良は暁が怒っていないということが分かっても、まだ頭を上げることができなかった。


「ほれ、柚、起きろ。朝飯の時間らしいぞ」


 暁が隣で寝ている柚を揺すると、柚は「う~ん」と目を擦りながら上体を起こした。


「余は公務にいってくる。また後でな」


「うん、いってらっしゃい」