俺は使用人、君は姫。

贈り物

「香蓮!!お前一体どういうつもりだ!?」


「何が。」


「とぼけるなっ。王様に、俺が仕事に精を出してるだ何だ言っただろう!」


あんな事言うならコイツしかいない。

いや、コイツだ。


「あぁ、言った、言った。そんな事。」


「詳しく教えろ。」


「あぁ。王様に、『紅羽は、昔とは打って変わって仕事をとても頑張ってます。なので、自分的には、もっと良い仕事に就いたほうがいいと思うんですよね。昔と同じ執事とか。』って言った。」


なるほど。

それで、全部つながる。

王様がいきなり俺を執事に戻すとか、訳がわからなかった。


「で、こっちはお前の話、聞きたいんだけど。どういう内容だったの。」


「いやお前、どんな話されるか、分かってただろ。」


「まぁ、大体は予想ついてた。…俺からの贈り物ってわけだろう?」


「ニヤニヤするな。」


「本当は嬉しいくせに。駄目だぞ、閏様の前でも感情押し殺していたら。」


押し殺さないとか、無理。

顔、行動に感情出してたら、俺、ただの変態だから。


「まぁ、頑張れ。今日からなんだろう?…あぁ、お前と話す機会が無くなるなんて、寂しくなるな…。」


「完全に話せないわけじゃない。たまには、相談しに来る。」


「大歓迎するよ。」


「あぁ。」


香蓮と拳を軽くぶつけ合うと、俺はその場をあとにした。
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