私の婚約者は特殊捜査官
3.・・・始まり
・・・

間もなくして、

隆弘が部屋に入ってきた。

「準備は出来ましたか?」

「・・・ええ」

私の返事にニッコリ笑った隆弘は、


「それでは行きましょうか?」

そう言って、私の手を取ると、

自分の腕に私の手を絡めさせた。

・・・

「・・・何を?」

「理子に杖を頼まれたとか?

私と共に行動するときは、

こうやって杖代わりになります。

屋敷にいる時は、杖で動けばいい」



「・・・」

何も言えず黙りこんだ私に、

隆弘は満足そうな顔をした。


・・・

車に乗り込んだ私たちは、

目的の警察署へ・・・

これから起こる出来事に、

私は生唾を呑み込み、不安をかき消した。
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