若き店主と囚われの薔薇


………私は?

私は今、何を支えに生きているのか。

ぐ、と倒れそうになるのを堪えると、また俯いた。

喉の奥から、低い声が出た。


「…もう、いいわ。あなたと話していても、キリがない」


まるで、負け惜しみのよう。

エルガは、何も返してこない。

それが余計に惨めで、苛立つ。


怖くなった。

気づいてしまった、事実に。

クエイトがいない、エルガも私の前を歩いてはくれない。


生きていくための道標が、今の私には、ない。




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