隣の彼の恋愛事情
「ここ、会社ですよ。夜のイケメンバージョンで出社しちゃてますよ。」

他の人にバレないように、こそこそと言うと

「お前も俺のことイケメンだと思ってんのか――?」

なんてニヤリと返され、私は自分の発言に気がついて、顔が赤くなる。

「いや、ボサボサメガネと比較してってことですよ。」

慌てて言い訳をするが、私の慌てぶりを見て声をころして、肩で笑っている。

「いいんだよ、なんか面倒になった。確かにあのスタイルの方が便利なこともあったけど、

見かけで目立ったからって俺の正体がバレるわけでもないし。」

そう、さらっとアイツはいうと、PCに目を向けて仕事にもどった。
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