隣の彼の恋愛事情
「へへっ。見られちゃいましたよね。」

「見てましたよ。紅緒さんは表情が豊かだから見ていて飽きませんね。」

「だって、人をちびっ子って。私だってもう結構いい年なのに。」

またもや唇をとがらせると、それを見て清水さんが再度笑った。

「そういう正直なところが、オーナーのお気に入りなんでしょうね。」
グラスを磨きながらニコニコという。

「いや、いや。お気に入りっていうよりも都合のいい下僕ですよ。最近はおもちゃみたいに扱われることもあるし。」

目の前に出されたカクテルを味わいながら、苦笑いを返す。

「私から見ればそうは見えませんがね。」
クスクスと笑いながら手元のグラスを磨き上げていた。
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