何か言っていたアイツを振り切り、ひたすら走ってマンションに逃げ帰った。

ドアをあけて玄関にペタリと座り込んで、唇に指をあてた。

(キス、したんだ・・・)

アイツの長いまつげと重なった唇がフラッシュバックする。

思い出すだけで、胸が熱くなる。

あんな罰みたいなキスでこんな気持ちになるなんて。


(自分の気持ちに向き合えた。少なくとも気持ちまでごまかさないで済むようにはなったよね)

本来の自分の切り替えのよさが戻ってきた感じがした。

ただ、アイツにどんな顔して会えばいいのか、私がこれからどうしたいのか、どうするべきなのかいくら考えても私の小さな頭では答えをだすことが出来なかった。

(明日が休みでよかった。)

疲れた心と体をなんとかしたくて、熱いシャワーを浴びベッドに潜り込んだ。