私の幸せ

大好きでした。

私の彼氏は、藤堂歩希。
生まれつき心臓が弱かったから、お母さんが『歩いていける希望』という願いを込めて、歩希と付けたそうです。

週に3回病院に行っていた歩希の病状は、悪いと感じていました。

学校でのお昼ご飯。
「歩希食べないの?」
食欲がなさそうな歩希に言いました。
病気のせいだってわかってるのに、
「今日朝ご飯食べすぎたの」
と笑って言っていました。

体育の時間。
男子はバスケでした。
ゲーム中いきなり止まってしゃがんだ歩希。
苦しかったんだと思うのに、
「ちょっと本気出しすぎた」
と笑って言っていました。

帰りの時。
天気予報は外れて大雨でした。
「傘持ってないよぉ」
私が独り言で言ったのに、歩希は
「雅、傘持ってないの?俺の使って。もう1つ教室にあるから。それに今日急いでるんだろ?早く行けよ」
また笑って言ってくれました。
「ありがと。」
私は傘を差して、用事があったので帰りました。

でも、次の日わかったこと。
歩希は、傘1つしか持っていませんでした。
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