晴れのち雨

fascination



寝室に入ると月の光で薄っすらと部屋の様子がわかる。

目の前にベットが一つ。
それ以外は特に目立った物は無かった。


優しく後ろから抱きしめられた。

「はぁー。どうしよ。
俺が何か緊張してきたわ。」

私の首元に顔を埋める。


先生から少し離れて振り返ると
正面から先生に抱きついた。

先生の心臓の音が聞こえる。
その音は私に安心感を与えた。

先生もドキドキしてる。
私と同じように。


上を向いて先生を見る。


「愛してる。」

生まれて初めて、この言葉の本当の意味を知りながら言った気がした。

何て切ない言葉なんだろう。
どうして貴方に言いたくて仕方のない言葉なんだろう。

先生?
少しは貴方の心に触れられてますか?




何も言わず、先生は少し乱暴に私をベットに押し倒した。


そのとき一瞬だけ、とても先生が悲しそうな表情をしたのを私は気づいていた。






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