マン喫LOVE
「おっ！新刊入ってる～ラッキー！」


彼が遠征で地方に行っている間週３の割合で立ち寄る場所。



私の寄り道スポット。それはマン喫。



おしゃれな隠れ家barだと色っぽいのだけど・・・・


その色気が私には足りないと咲子は言う。


いいのよ、私は彼と２Gの彼がいてくれればそれでいい。


この閉ざされたスペースで擬似恋愛に没頭する。


これぞ至福の時。


新刊と適当なものを5冊ほど小脇に抱え、


ドリンクバーでお決まりのdietペプシを調達した。


その隣には、片手に漫画を開き読みながら烏龍茶を注ぐ男。


『この愛受け止めて！』


バリバリ少女漫画に読みふけるその男は、


溢れる烏龍茶に全く気付いていない。


「あの・・・・溢れてますよ」


その声に我に返り、奴は慌ててメガネを外し目頭を摘んだ。


「はい。マジ泣けるっす」


・・・・・何か勘違いしているようだ・・・・。


「じゃなくて、烏龍茶」


涙を抑えるためにボタンからは手は離れたが、


持って移動するには危険な量の烏龍茶には気付いていない。


「あ～こっち！」


やっと気づいた奴は髪をくしゃくしゃ掻きながら笑った。


・・・・・・どっかで見たな・・・この顔。


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