SトロベリージャM
ダイは切れ長の目を、子どものようにパチクリさせながら、実野里を見ていた。


(な・・なに?怒りが頂点に達して、壊れちゃったの?)


「お・・お前・・」


「ごごごめんなさい!!もう、偉そうなこと言いませんから!!」


実野里は、目を瞑り、顔を掌で隠した。


だが、両手をダイに掴まれた。


(あ~、もうだめだ!デコピン以上に怖いことが起こりそう・・。)


だが、痛みは一向に訪れなかった。


その代わり、おでこに柔らかいものが触れているのを感じた。


「ダ・・ダイ・・!?」


その正体はダイの悪戯な唇だった。


ダイは、デコピンした部分にキスをしていた。


「さっきのお仕置きは撤回する。ついでに治してあげる。」


更に温かいものがおでこを行き来した。


「きゃっ!!」


思わず実野里は、声を荒げてしまった。


「感じやすいの?」


「・・・」


もちろん、答えれるはずがなかった。




この後、何事もなかったかのように仕事を続けるダイ。


実野里は1日中、湯沸かし器のようだった。
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