SトロベリージャM
(もう、血、止まったかな?)


実野里は、ダイを見上げた。


「ダイ、どう?たぶん、もう大丈夫だよ。あれっ?ダイの顔、真っ赤だよ。」


その顔は、幼いころの大地を思い出させた。


(ダイが興奮??そんなわけないか。)


心の中で、自分を嘲け笑った。


一方、ダイは天井を向いて、誤魔化していた。


「気のせいじゃないの?そんなことより、花瓶買いに行こうぜ。」


「えっ!?駄目だよ。もう、11時前になっちゃたし、仕事しなくちゃ!いつ、社長が来るか分からなんだからね!」


実野里は、とっとと自分の席に座り、パソコンの電源を入れ、書類に目を通し始めた。


「はいはい、分かりましたよ。今度、俺が買ってきてやる。その代わり、これからも、花を飾ってくれよ。森が許してくれる範囲でな。」


ダイが微笑んだ。


実野里は、席に座ったダイを横目で見ながら、微笑み返した。


(いつか、あなたに、ストックの花言葉を教えてあげられるときが来るでしょうか?)
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