SトロベリージャM
ダイの手を取って見てみると、人差し指に切り傷があった。


そこまで、大きい切り傷ではないが、また傷口が開いて痛そうだ。


血が、真っ赤なビーズのように丸くなっていた。


赤を見ると、なぜか実野里は反応してしまった。


1番の理由は、ダイの傷を癒してあげようとしたからだ。


だが、ストロベリージャムの赤や、大地の照れた赤い顔も影響したのかもしれない。


気付くと、ダイの指を舐めていた。


ダイが目を見開いて、その光景を凝視していたことは、知る由もない実野里だった。


猫のような実野里が、懸命に処置している間、ダイは徐々に熱くなっていく身体を抑えようと必死だった。


濡れた頭を撫でたり、黒髪を梳くことで、自分の欲望を誤魔化していた。


全く男心が分かっていない、実野里の鈍感さに気付いたダイであった。
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