†captivity†(休載)

──対面





「……あ、よろしく、お願いします」



出されていた片手と、反射的に握手した。



緒方先輩が、理事長子息……。

衝撃というか、でも言われてみれば頷けるというか……。

とにかく、大方の疑問は片付いた。



緒方先輩のあのマンションの部屋の広さだったり、学校に緒方先輩部屋(仮)があったり、在学中に一位取れば卒業できる約束だったり。

特別待遇の多さに納得した。



それじゃ、あたしのことを知っていたのも理事長息子の特権とか……?




「で、悪ガキ共はこんなとこでなにやってたんだい」



その悪ガキの中にあたしは入っていないことを祈る。



「すみません、私のせいというか、あの……起きたらここにいて」

「ん?倒れたのかい?」

「いや、その……」



理事長には非常に言いにくい。

サボって寝ていたなんて。



なんて、思っていたら。



「あぁ、寝てたから運んで来た」

「な……!?」



息子にあっさりバラされた。

直後、ガシリとあたしの両頬に理事長が手を当てる。



ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!
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