隣のぼーいふれんどサマ。

重なる記憶と少女の秘密。






「ただいま、お母さん!!」


ランドセルを背負って、髪を高い位置に結んだ少女が笑顔で帰ってくる。


「おかえり。学校は楽しかった?」


洗濯物を上手に畳みながら、優しく笑うその子のお母さん。


「うん!!あのね、今日はね、俊哉がね・・・」


楽しそうに今日の出来事を話す少女の肩を叩いて、そっとプリンを差し出す一人の男性。


その顔には靄がかかっている。


「おかえり。今日のおやつはプリンだよ、カz・・・」





またあの夢だ。


あたし、生きてるのかな?


もしかして、もう死んでるかも。


・・・ううん。


死んでない。


あのとき俊哉の腕の中で、絶対に死なない、って心に誓ったから。


俊哉の濡れた頬の感蝕が、未だ右手に残ってる。


大丈夫。


あんなに距離があった俊哉とも、すぐに仲直りできた。


これが、愛の力・・・ってヤツだよね。


ちょっと恥ずかしいけれど。


大丈夫。


すぐに俊哉の隣にいくから━━━━

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