隣のぼーいふれんどサマ。
音がする。機械音だ。
空気がなんとなく冷たく感じる。
でも、あたしの左手には、異常なくらいの熱が感じられる。
誰かが・・・きっと俊哉があたしの手を握っているんだ。
そして右手にも、それは同じく感じられた。
誰?
俊哉とは違う手。
優しく、包み込むような手。
誰の手かわからない。
でも、記憶の片隅にちゃんとある。
あたしの大切な人。
まだ体が、背中が特に痛むけれど、会いたい。
その気持ちが先走って、あたしに力をくれる。
ゆっくりとまぶたを開ける。
視界がぼやけて、ここがどこかわからないけれど、病室なんだろう。
耳に聞きなれた声が届く。
「カズ・・・?カズ!!わかるか?!」