カゼヒキサン。
「あー、海斗。ちょっと来てくれる?」

「なんですか。」

昼休み。

滝川先生に呼ばれる。

嫌な予感しかしない…。


「…で、若野とはどうなったわけよ?」

「やっぱりそんな話かバカ野郎。」

「見た感じ、なんか気まずい雰囲気だったけど?」

「別になんもねェよ。風邪治ったから帰っただけだし。」

「まさかキスとかしてねぇよな?」

ドキィィィィィィィ

「…あら、図星?」

たぶん俺は顔が赤くなっていて

たぶん滝川はそれに気づいて

たぶん「俺冗談のつもりだったんだけど」的な感じで

たぶん今俺達は気まずい雰囲気に包まれている。

「あーあー、やっちゃいましたね海斗くん。ナイトとか言ってたくせに結局理性に負けたのか。まぁ今頃の男子そうでないとおかしいくらいだけどな。」

「うっせーよ…。」

「…で?ボタン外したとかいわねェよな?」

なんか、思わず想像してしまう。

つまり、滝川が言っているのは、襲いかけてねェよな?と言う事で。

「んなわけねーだろ!!バーカ!!」

「まぁまぁ、そんな恥ずかしくなるな!いいねぇ若いってのは。」

「俺なんもしてねーかんな。キスも襲いもしてねぇよバカエロ教師野郎が!」


俺は何かこっぱずかしくなって。

とりあえずその場を去って。

たぶん滝川はにやにやして

顔を赤くさせた俺を笑っているんだろう。

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