カゼヒキサン。
…海斗がまっすぐこっちを見てる。

目がそらせない。

なんだか切なげに答えを求めてる。


じゃぁあの夜にいってくれた言葉は嘘じゃなかったって事?

「好きだよ瑞希」

頭の中でもう一度響く。


何が起こったのか分からなくて

心臓が破裂しそうなくらいどきどきして

でも嫌じゃなかった


あの時の気持ちと

今の気持ちが重なる


ねぇあたしが素直になれば

あたし達の関係はどうなるのかな?


状況がまだよく読めなくて

どきどきして

でもそんな未来を拒んでるわけじゃない



だったらさ

素直になってもいいよね


ううん

素直にならなくちゃ………



「…あのキス、びっくりしたしよく分かんなかったけど………嫌だとは思わなかった。」

「……え。」


「う、嬉しかった。実際に言っちゃうと。」

「……瑞希。」


さっき海斗がしたように

あたしも海斗を抱きしめる



「……海斗のことが、好きだよ。」





そう言うと海斗の顔が目の前にきた


ゆっくり、ゆっくり、顔が近づく


「…風邪、うつるよ?」

「瑞希からならうつっても構わない。」


あたしは目を閉じて




海斗の唇が

優しくあたしの唇に


そっと

触れた



「…好きだよ、瑞希。」

「……あたしも…、海斗好き。」



ふふ、って二人で笑い合うと


もう一度唇が触れた
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