[仮]ヒロインは私⁉
* 共同生活
「君が萌ちゃんかあ!可愛いねえ〜」
高級感溢れる黒の皮のソファに座る、40代くらいの男性が、優しい笑みを浮かべて口を開いた。
今、私がいるのは学園長室。
「あはは、どーも…」
きっとこの人が父親の友達だという学園長だろう。
作り笑いをする私は、頭の中であの美少年のことを考えていた。
「また会えるのを、楽しみにしてるよ」
別れの時に確かに言ったその言葉と、屈託のない笑顔。
私は彼のことが気になってしょうがなかった。