ライラックをあなたに…
彼女がシャワーを浴びている間に、俺は軽い食事の準備をしながら、これからの事を考えていた。
彼女が『死』を選択した理由が気にはなるが、今はそれについて触れない事が最善だろう。
大体の察しが付く。
昨夜、彼女の自殺行為を止め、仕方なく自宅へ連れ帰った後、俺は彼女の携帯電話を使って助けを求める事にした。
そして、俺は無意識に短縮1番を押したのだが。
――――――それが間違いだった。
*◇*◇*◇*◇*◇*
「もしもし?」
携帯のディスプレイには『侑弥さん』と表示されており、勿論、電話の相手は男性だった。
「寿々?」
へぇ~、彼女の名前は『寿々』というのか。
俺は何から話そうか悩みながら、とりあえず、俺の家まで迎えに来て貰おうと口を開こうとした、次の瞬間!!