続★キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~
その隙に、佐和先輩は尻もちをついたままだったあたしの手を引き上げる。





「大丈夫?」



佐和先輩の優しい声に、あたしは涙目でうなずきながら訴える。





「あたしは平気です……でも陣が……陣が……」


「うん。陣のとこにはタツや他の全員が向かってるよ」


「ほ……ほんとですか?」


「あぁ。僕もこれから行く。未唯ちゃんはどうする?」


「もちろん一緒に行きます!!」






佐和先輩は白いバイクにエンジンをかけながら、ゴリさんの方を見る。





「ゴリ君はここで休んでてくれる?僕のバイクには乗せられないから」


「いや、俺もこれから向かう」


「どうやって?」


「走ってくに決まってんだろ!」





ゴリさんはふらつく足にカツを入れるように地面を蹴った。






「伊勢谷がまだ戦ってんのに!このゴリ様が途中で喧嘩投げ出せっかよ!」






そんなゴリさんに佐和先輩は、ははっと笑う。





「うん、わかった。じゃあ頑張ってきてね」





そして佐和先輩はあたしをバイクの後ろに乗せると、ヴォン!とエンジンを鳴らし勢いよくバイクを発進させた。



< 153 / 192 >

この作品をシェア

pagetop