蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


あの日、電車を待ちながらホームでこっそり泣いた事を思い出すと、今でも胸が痛んだ。

結局私はあのまま家に帰った。
電車の中でも、家に帰ってからも、悠介から何度も着信があったけど……出なかった。

出られなかった。
別れを直接告げられるのがイヤで。

私には、自信も経験もなにもなかったから。
耐えられないと思った。

悠介の言葉で、幸せだった関係が終わるのなんて……耐え切れないから。

“今までありがとうございました。
幸せでした。”

数日経った後、そんなメールを送った。

今考えれば逃げ出したのは私の方で、悠介は何かを伝えようとしてたのかもしれないって思うけど……。
もし、今同じ事が繰り返されても、私が取る行動は一緒だ。

あの時から、私は何も変わってないから。
自信のなさも、男の人が苦手なのも……悠介への気持ちも。


あの日、心を閉ざしたまま、何も変われていない。



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