蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
私がいる位置からは、ドアの向こうで何が起こってるのかは分からなかったけど……。
きっと、悠介に抱きついてるんだって事は想像できた。
悠介の声は聞こえない。
私の耳のせいなのか、本当に何も言ってないのかは分からなかったけど。
それくらい、頭が混乱してた。
悠介とのこの恋が、私にとっては初めての恋愛で。
悠介と過ごしたのは1年。
だけど、恋人と過ごしたのは、たった2ヶ月。
そんな私には……この場から立ち去る以外の選択肢は浮かばなかった。
駅に向かいながら、頭の中を必死に整理した。
悠介は、別れてからもずっと彼女の事を想ってた。
そして、その彼女さんも悠介の事を……。
嫌いになったんじゃなくて、距離に負けただけのふたり。
会えない時間が耐えられないくらい、想い合ってた証拠だ。
その彼女さんがやり直したいって言ってる今、邪魔なのは―――。