蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「それ、本気で言ってるの?
歓迎会で部長に肩抱かれただけで泣きそうになってたのに?」
「あれは、部長が急にしてきたから……。しかもすごく力が強かったし、お酒臭くてつい」
「エレベーターで男性社員とふたりきりになっただけで、緊張で貧血起こしそうになってたくせに?」
「それも、何度かだけじゃない。
それまでそういう機会がなかったから戸惑っただけで、今はそこまでパニックにはならないもん」
「じゃあ、松浦に告白されてからしばらくの間、怯えて避けてたのに?」
「それも、ちょっとの間だけでしょ。
あんまり避けたりしたら失礼だっていうのは私だって分かるし、今はなるべく意識しないように接してる……」

そこまで言ったところで、ハっとして口を塞ぐ。
そろりと隣を見ると、ガッツリ傷ついて俯く松浦の姿があった。

「大澤、それ、俺が傷つくわ。
つーか、できれば知りたくなかったんだけど」


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