夜桜と朧月
そこまで日記に書くのも僭越だと思ったので、これはいつか口頭でお義兄さんに伝えようと思った。



結局、お宮参りの着物は、あちらのご両親が二人分購入してくれた。



咲希と多希が五歳の七五三の時にも着られるような設えの、薄紅色と赤い着物だった。



私は遠慮して、お宮参りへはお義兄さんとあちらのご両親に行って貰った。




お宮参りから帰ってきた咲希と多希に晴れ着を着せて、姉の仏前に二人を連れていって見せたときに、また少し涙が零れた。





こうやって、子供達の成長を、一つずつ姉は見守りたかっただろうに。



咲希と多希は一日一日成長し、体重も身長も新生児の時より遥かに大きくなった。


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