orders!
「すみませーん」
「はーい。洸くん、こっちお願いね」
他の席のお客さんに呼ばれそちらへと行くハルさんに、残された洸ちゃんは不機嫌そうな顔のまま手書きの伝票とペンを取り出す。
「……注文は」
「えーと、苺のタルトとカフェオレ!花ちゃんは?」
「私はコーヒーで」
「食ったらさっさと帰れよ」
「何でそういう言い方するかなー!」
注文を取り終えるとすぐに奥のキッチンへ向かう後ろ姿は、今日も相変わらずそっけない背中。
……ちぇ、冷たい。
でもそこがまた、彼らしいとも思う。
三島茜、21歳。この近くの塾で、中学生に英語を教える仕事をしています。
好きな食べ物は苺。
好きな人は、このお店のウェイター・洸ちゃん……こと、藤沢洸くん。