あの時も、これからも
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プロローグ

「おいしかったー」

ねー海斗、と笑みを浮かべながらしるふは数歩後ろを行く海斗を振り返る

しるふの言葉に視線を上げて、優しい光を宿した海斗は、ああ、と頷く

今日、二人は付き合って丸3年を迎えた

その記念にちょっと高級なレストランで食事をしたのだ

企画したのはしるふ

2周年記念は海斗が担当し、3年の今日はしるふの担当だったのだ

基本企画しない方は手を出さない決まりだ

当日まで何があるかわからない

去年驚いたのは、海斗がしるふがほしいと言っていたペアリングを買ってくれたこと

しかも病院では指にできないからと言ってきれいなチェーン付きで

しかもしかも名前まで掘ってくれた

そういう彼カノですよと周囲に知らしめるものが嫌いだと思っていたしるふは、海斗が一言返事で了承してくれたことがうれしくもあり、驚きでもあった

しかも買に行ったときは在庫がなくて後日ということになったことを利用して名前を掘ってくれたこともしるふのしらない間に記念日当日に渡せるように店側に連絡していたことも

こういう時純粋に海斗に想われていると実感できる

そんな小さな気遣いがすごくうれしい

指に、まるでずっとそこにあったようにはまるペアリングを見ては、優しい気持ちになるのはきっとそのせいだ
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