りんご飴
天気予報
「今日は桜が舞い散るでしょう」

その天気予報を聞いた時、学校の支度していた私は固まった。

「ウソでしょ……。まさか、」

そんな事を言いながら、テレビを見直した。

今日、桜が散ってしまうという事に驚いた訳じゃない。
たしかに、桜は好きだけど。

もっと、驚いたのは彼が帰ってくるかもしれないから。

厄介なのは連絡が一切ないこと。

帰ってくるのか帰ってこないんだろうか。

帰ってくるというのは、彼は彼のお父さんの転勤の都合で引越してしまった。

その時約束したんだぁー

『おれさぁ、お前が悲しまないように
2年後の桜が散る前までに帰ってくるから準備してろよー!』って!

優しいなぁー♡とか思ったり

今日で2年だし。

今日、桜散るし

帰ってくるかもって言う嬉しさと

本当に帰ってくるのかなぁーって言う心配を入り交えて

お母さんのところに行った

「お母さん!今日、桜散るって!帰ってくるかもしれなーい」

すると、
「そうねー!楽しみにしときなさい!」と

言葉をかけてくれた。

すぐ友達に言いたくなって

7時30分に出てもヘーキなくらいなのに

7時00分に出た。

まぁ、お母さんにしてはお弁当作るの早くしなければいけないから面倒だったと思うけど

嬉しいんだもん!

でもね。この時すっごく嫌な予感がしたんだ。

胸がすっごく変な気持ちになったんだ

なんでだろう。

まだ、っていうか

知りたくない真実が知らされることになるなんて思わないよ 

「まもなく、電車が発車します。」電車のアナウンスが聞こえ始めた頃

知らない奴に話しかけられた。

『ねぇ。きみー可愛いね。どこにすんでるの?』

幸い一人だから、丁重にお断りをし

「あっ。ごめんなさい。電車発車するので。」

と、言い走って逃げた。

(あんなのに捕まえられたらたまんないよ!)

と、心に思いながら。

すると、もやもやは消えた。

なんだ、話しかけられることが嫌な予感?

心配しすぎたわーって思ってられるのも今のうちだった。

高校に着いて

いつものように友と話す

当たり前だけど幸せだなぁー

「ゆかぁー!みかこぁー!」

私の大親友。

由佳と美香子と私の3人は

同じクラスで、

毎日一緒にいる!

「うわっ。桃だぁー」

由佳はそんなことばっかり言ういわゆる

ムードメーカーってやつ?

桃はさっきからhappyな自分。

「うわっ。とか、ひどいー!」

こんな感じで話してるんだー

「あれ?美香子は?」私が聞くと

由佳は「今日、一緒じゃないんだー!
先行ってて言われたんだ。」

「そうなの。」少し寂しい気もしたけど

朝から天気予報を言いたくて飛んできたから

本題へ入る

「ねぇー!由佳!天気予報を見ましたかぁー?」って言ったら

「あぁ。みたよー!幸せですわねー。だから、朝早いんだ!」
由佳にバレた。

由佳ってば人がせっかく
聞いてなければ説明しようとしたのにぃー!

「まぁ、それもあるけど。」途中で切り離して
由佳になに?なに?って聞かせようとする私。

すると、
「えっ?なになに?」まんまと引っかかった。

シメシメなんて思っているまま

「今日、駅で知らない奴に話しかけられた。」
なんて、真顔で言ったら

「なにそれー?桃がぁー?やっぱ可愛い子っていいなぁー」

何だろ。今日、由佳のテンションが違う。

いつもなら
「なにそれー!センス悪いなぁー」とか

それが楽しいのに何かあったの?

「ねぇ!いつものテンションどこに行ったのよ?
由佳じゃないみたいじゃない!」

なんて、真面目に言ったら

「実はぁー彼氏ができたの!」えっ。うそー!

「うそ!おめでとぉー!」

うわー私が由佳達に言った時

こんな感じだったのかなー?新鮮だなぁー

「じゃあ、今度カレが帰ってきたらWデートしよー!」
私は提案してみた。すると、

「いいねー!いこいこ!」
由佳が言った途端、

「おっはよー!でできたよーー!美香子参上!」

美香子はこんな感じ

いつでもテンション高め(汗)

「ねぇー!美香子!カレが帰ってくるのー!今日!」
って私が言ったら

「私も天気予報みたよ!おめでと!」

お祝いの一言。嬉しいなぁー

「由佳もねー!彼氏ができたの!」

すると、美香子は
「えー!由佳もー!いいなぁー一人ぼっちにしないでね」

というから、

2人で【当たり前!いつだって大親友なんだから!】

いいなぁー
この関係が温かい幸せ。

でも、私の天気予報は外れてた。

この恋バナしてるのは

帰ってくるから。でも、

メールが来たんだ。

『ごめん。今日帰れなくなった。
親がうるさくて。ごめんな。』

あぁー。親がうるさいなら仕方ないかっ!

「今日、スイーツ食べ放題いこっ!」私はきりだす

由佳と美香子は心配してくれた。

「彼とは会わないの?会うんじゃないの?へーき?」

私は悲しさなど残さず

「へーき!へーき!私も会いたいけど親の関係だから!まじでドンマイでしょ!」

みたいなね

すると、2人は

「じゃあ、いこー!ってまだ朝ですけど」

みたいに私をそんなに心配しなくても

皆、心が通じてる。

その関係がとっても心地よい

あぁー!彼なんていなくてもいい

なんて思う時だってある。これは恋愛の話ではなく、

友との友情の話ッ!でもさっきも言ったでしょ

やな予感それは当たってた。








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