【完】俺が消えてしまう前に

・愛希の死因について


**


俺達は学校を出た後、愛希の家の近くまで移動していた。


その道の途中。

向こう側からいかにも不良です。と言っているような男子5人組が歩いてきた。



「・・・何ぃ?すっげぇ可愛いじゃん」


「俺こっちの子がタイプだわ」


「えー嘘だろ!?俺こっち」


「お前のタイプなんてきいてねぇし笑」


「僕達とこれからお茶しない?」


「好青年ぶってんじゃねぇぞー笑」



案の定七海と桃子は声をかけられてしまった。
俺と愛希の姿は見えていない。


「や、やめてください」


七海が弱々しく言う。

その姿に男たちは再びゲタゲタ笑い、今度は七海の腕を強く掴んだ。



「誘ってるようにしか見えないねぇ?笑」


「・・・ひっ」


「水島さんに触らないで!」


「んだぁこの女。お前からヤらしてくれんの?」


「汚らわしい!」


そう言いながら桃子は男の腕をひっぱたいた。

「・・・てめぇ!!」




男は大きく振りかぶり
桃子を殴ろうとしている。


その瞬間、
時間が止まった。


いや、実際には進んでいるんだろうけど進んでいない感覚。

それと同時に再び俺をあの頭痛が襲った。
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