【完】俺が消えてしまう前に
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「お前さー全然気持ちよくねぇわ」
「・・・っ」
「ナンパしといてあれだけど、もう用なし。消えて?」
「最低!!」
女は思い切り俺の頬をひっぱたいた。
じんじんと痛みが伝わってくる。
俺の頬を叩いた女は部屋を出て行った。
「さぁて、次の女でも仕入れてくるか」
そう呟いた直後、すぐに俺の部屋の扉が開く。
「ちょっと樹」
「なんだよ」
「・・・もうやめにした方がいいんじゃない?」
「ハァ?」
「誰かに刺されてもあたし知らないからね?」
「お前に助けてもらうほど落ちぶれてねぇから安心しろ」
「もう・・・樹!」
「うるっせぇな。お前は俺の親か!?」
「・・・親も同然なんだけど?」
「・・・っち」
誰かに似ている。
「樹聞いてんの?」
誰だろう。
君は、一体誰に似ているんだ。
そして俺は・・・。
俺の本当の姿は・・・。
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