やっぱり愛おしい
やっぱり愛おしい

さっきから何度ベッドの軋(きし)む音を聞いて、スプリングが揺れるのを肌身で感じたのか、数えたらキリがないくらい、夜景の微かな光が差し込む静かな寝室に
「あっ……やぁ、うん……あん。」
私が貴方に感じている声と
「茉優莉(まゆり)」
私の名前を呼ぶ貴方の声が何度も何度も響いた。

一度行為が済んだばかりなのに
「茉優莉が足りない。」
そう言ってまたすぐに貴方は私を抱いている。
さっきの行為よりさらに私を求めてる。

でも、それでもいい……。
今日は…今日だけは、もっともっと貴方を肌身で感じたい。
明日から後悔しないために……。

「貴晶(たかあき)さん、好きです。」
言葉が絶え絶えになる、激しい快楽と波の中で、貴方に素直な言葉を伝えると
「俺も好きだ……茉優莉。」
そう言って貴方は、私の胸元に紅い華を咲かせ続けた。


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