やっぱり愛おしい
私も貴方の美しい背中に爪を立てると
「うっ。」
軽く呻(うめ)いた貴方が私を見下ろした。

私が大好きな漆黒の瞳。
その瞳に私が映り、胸が高鳴る。

スッとした鼻筋に薄く色気のある唇。
私に触れる繊細で長い指。

本当に好きだった。
この貴方の部屋で、貴方の匂いに包まれながらこうして抱かれることが……。

でも、もう一緒にはいられない。
貴方のそばにはいることは許されない。
だから、私の宝物になるように、今日だけは貴方の全てを私に刻み込んでほしい。
貴方の愛をココロに注ぎ込んでほしい。

「貴晶さん、もっと言って。」
私がそうお願いすると
「ああ茉優莉、かわいい、愛してる。」
普段絶対に皆の前で言わない貴方が、今ここで、私にだけに愛をささやいてくれた。
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