Only One──君は特別な人──
「だって、貴広ものすごくテクニシャンだったから…」

「それでオレが色んな女と寝てきた──そう思ったわけか」

「うん」


何て安易な発想なんだろう。口に出して言うようなことじゃなかったような。

ましてや、貴広がどんな女の人と寝てたとしても、あたしにはとやかく言う権利はない。

過去は戻せない。過去にあたし達は関わりがないんだから。


「もえは何人の男と寝たんだよ?」

「え?」

「もえだってものすごくテクニシャンだったよ。すげー腰の振り方とかエロかったし、あとオレのをくわえてる時も…」

「ぎゃー!! 恥ずかしいからそれ以上言わないで!! 言い方が露骨過ぎるー!!」


あたしは貴広の口を手で一瞬だけ塞いだ。
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