身代わり姫君の異世界恋綺譚
「お前! 露出が過ぎるぞ! どんな教育を受けていたのか」

ぶつぶつと年寄りめいた言葉に、真白はクスッと笑ってしまった。

しかも、清雅は顔を真っ赤にさせて真白を注視出来ない状態。

――ふふんだ。戸惑えばいいんだわ。

「私の世界では、これが普通なのっ」

あっかんべーでもしてしまいそうだ。

真白は戸惑う清雅から視線を動かし、小さな40センチ四方のお膳に並べられた器の中身を見た。

お茶碗に真っ白なおかゆのみ。

「これが食事……?」

まるで病人食だ。

「何を文句言っておる。我が家は裕福とは言え、修行人をたくさん抱えている。修行人が食べる朝食はこれに決まっているのだ」

――私、修行人じゃないし……。

文句も言いたい所だが、居候の身では言えない。

外に放り出され、食べられないよりましだ。

「いただきます」

お箸を手にして、両手を合わせてお茶碗を持った。

一口食べるが、味もそっけもなく、お世辞にもおいしいというものではない。

だが、この先何が起こるのかわからない。

――しっかり食べなきゃね……。

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