かくれんぼ

金曜日。


【2日目】8:30

昨日の夢は一体なんだったのか。
そう思いながら私は教室へ入った。

ガラガラ…

「優花?おはよ!」

いつもと変わらず。
元気に挨拶してきた彩佳。
昨日の夢の中に彩佳の顔が一瞬でてきたせいなのか、彩佳の顔を見つめてしまう。

「なに?なんかついてるー?」
「ううん。なにもついてないよ…」
「……?」

教室はなにもなかったかのようにいつもどうりだった。
ただひとつ違ったのは、阿佐間さんが居なかったことだ。
人間一回や二回程度風邪を引いたりして休むことはあるにしても。
阿佐間さんはそうそう休む人じゃないし、風邪を引くような季節でもない。
昨日あれだけ怯えていたのだから、怖くて学校に来ていないのかもしれない…

でもふと思い出していた。
確か学校に登校しない者もダメだって…
でも一体登校しないのならなにがあるのか。
仮に本当に“かくれんぼ”が行われたとしよう。

捕まったものは処罰を受ける。
そう記載されていた。
だが休んだり、参加しなかったりしたらどうなる?
同じように処罰を受けるのか?

それに予定通り放課後から“かくれんぼ”を始めたとして、たった一日で終わるのか?
噂では盾津摩中学校全校生徒に送られたとある。

なにもかもが情報不足でわけがわからない。

「今日だね~!結局阿佐間サンこないし!怖がりなのかな~?クスクス」

「う…うん…」

なぜか、寒気を感じた。


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