夏色の約束。~きみと生きた日々~


「……あおちゃん」


ねぇ。


君は、なつたちの出会いをどう思う?


運命?偶然?必然?


その答えはきっと、この空のどこかにいる神様しか知らないよね。


だけどね、なつは運命だと思うんだ。


あおちゃんとなつが出会えたのは、偶然でも必然でもなく、きっと運命だよ。


だって、この世界には、数えきれないくらいたくさんの人がいるんだもん。


一生をかけても出会えないくらい、多くの人で溢れてるんだもん。


なつたちは、その中で出会えたんだよ?


まるで、運命の赤い糸に引き寄せられるように巡り逢って、話して、笑いあって。


時には、ケンカもして。


そして、なつは君に、君はなつに。


人生で初めての“恋”をした。


この奇跡の連鎖に気づいたとき、なつの頬を一粒の涙が伝う。


もう一度あおちゃんから周りに目を移せば、そこは別世界のようにキラキラと輝いて見えた。


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