悠也は理子を腕に抱きながらしばし物思いにふける。

今のセックスは今までないほど良かった。

会って数時間で付いてくる女はよほど男に飢えているのだろうと思ったが、そうではなかった。

部屋に入った途端、戸惑ったように「ごめんなさい。やっぱり帰ります」と理子は言った。

怯えたような瞳の理子に悠也もまた戸惑った。

しかし、口紅が落ちてもピンク色の唇、華奢な鎖骨、呼吸をするたびに上下する胸に、抑えきれなくなった。

食事をしている時から、彼女が欲しかった。

あの場、他の女性と話をしても理子に全神経が向けられていた。

(俺が彼女の名前を書かなかったのは、彼女が俺の名を書いてくれたか自信がなかったから)

スタッフが今回はカップルが1組もいなかったと聞いた時、安堵した悠也だった。

自分は誰の名前も書かなかった。もしかしたら彼女は自分の名前を書いたのではないかと期待もした。