好きなんて、言えるかよ。



私をパシリとして使って来ない事はあった。


でも、解放するなんて一度も言わなかったのに……っ。


ショックで動けなくなっていると


彼はカバンを持って持って立ち上がり


「振り回して悪かったな」


すれ違う間際、私に小さくつぶやいた。


ピシャリと閉められた教室のドアを虚しく見つめる。


何で……。

どうして、解放するなんて言うの……


私の目からは、一筋の涙がこぼれ落ちていた。

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