好きのおもさ
ようやく休憩に入ることができたか.
私は水分を補給しに行く。
補給するとすぐにクラスのテントに入る。
クラスのテントに入っている人は少ない.
いやよく見ると、隣のクラスのテントには人が集まっていることがわかる。
自分のクラスのテントに誰がいるか、よく観察してみる。
…1人。 宇川れおとがいた。
何でみんなテントに入ろうと思わないのか。
こんなあっつい中、太陽に照らされていたのか。
そんなことを心の中で思うと、宇川れおとと正反対の方向に座り込んだ。
彼はテントの影にくつろいで涼んでいる。
私も顔を俯けて寛ぐことにした。
休憩時間も残りわずかになった時、私は声をかけられた.
「あれ?あたしたちのテントに、加奈ちゃんとれおとしかいないの~?」
新山さんの声だ。
話しかけられたのか、そうじゃないのか曖昧だったため私は顔を上げなかった。
「…なんだよ、いたのか、おまえ」
ようやく私の存在に気づいた宇川くん。
なんだかご機嫌斜めだ。