鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
さて、問題はこの携帯をいつ返すかということ。任務を終わらせ無事に自分の課に戻ってきたけれど課長は午前中いっぱい会議だと唯野さんから聞いた。



課長が見られなくて、寂しくて泣いてるのかと思ってたなんて言われたことは聞かなかったことにしておく。むしろ、私が席を外していたのは課長からの呼び出し。しかもゲームの。

でもやっぱり携帯がないと不便だろうな。それにきっとお昼休みはこのゲームがしたいだろうし。でも、今日のお昼休み、緒方さんとのランチに行く約束をしている。あの日、私が緒方さんを誘った。

「友達になってください。まずはランチから行きましょう」


今日は、お気に入りの定食屋の限定サービスランチの日。あそこのサービスランチはカニクリームコロッケが絶品。

最初は、緒方さんに断って、課長が戻ってくるのを待っていようかと思っていたけれど、頭の中はすっかりサービスランチ一色になってしまい、結局断ることはしなかった。

そして、お昼のチャイムが鳴っても戻って来なかった課長の携帯を返すことも出来ず、私は課長の携帯を預かったまま、緒方さんとランチに行くことにした。

緒方さんのイメージは大人しくあまり話さない。それが私が抱いていたイメージ。


メガネをかけて少し長めの黒髪を一つに纏めている本当に真面目なOLさん。私服も黒やベージュが多くてあまり目立たないような無難な色を着ている。でも、話してみると実際の緒方さんはそんなことなかった。



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