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岩長咲耶
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岩長咲耶(いわなが さくや)です
どうぞよろしくお願いします

【野いちご】
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・ベリーズ文庫
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それぞれから文庫本及び電子書籍発売中


最新作の『ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて』が野いちごおススメ作品に掲載されました

公開リスト一覧

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レビュー一覧

★★★★★
2017/05/31 15:51
モノクロの風景の中にある不滅のカラフル

とある夏の日を過ごした少女と、その少女と関わることになった少年との交流を、少女の視点で書いた小説です。 盛夏特有の強烈な陽射しや、肌に纏わりつく湿度や汗が、鮮やかに脳裏に甦ってくる表現力。 少女の語り口に潜む、孤独感と切なさ。そしてメランコリックではあるけれど、どこか淡々と突き放した目線は思春期特有の感性で、『そういえば昔、自分もこんな感じに風景を見ていたなぁ』と遠い記憶を引っ張り出されてしまうくらい、お見事です。 平凡で『モロクロ』にしか見えなかった日々は、本当はたった一度だけの特別な『カラフル』な日々。 レンズ越しに切り取られた情景が伝えてくれるその事実に、ヒロインの少女が気付いてくれたのが嬉しいです。 素敵な作品をありがとうございました。

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★★★★★
2016/06/20 12:29
自分を認めてあげられる物語

もしもあの時、ああしていれば。こうしていれば。 過去に戻って、あの分岐点を選び直せたなら……。 誰もが一度は思ったことのある願望だと思います。 その願いが本当に叶ったら、人はどうするでしょうか? 手元にある毎日は味気なくなりがちで、逆に手の届かない過去はとても美しく、甘酸っぱく、キラキラ輝いている。 それを再び手にした時、あの頃より大人になっている自分はどんな選択をして、なにができるのだろう。 夢のようなチャンスに憧れる自分と、夢ではない現実を生きてきた自分を、満足させて勇気づけてくれる作品です。 小さな後悔や失敗を何度も何度も積み重ねて、泣きながらそれでも真っ直ぐ毎日を生きている人へ。 筆者様の小さな……でも精いっぱいの『頑張ろうね!』の声が届く作品です。

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★★★★★
2016/02/08 12:47
そこにいる、誰かの物語

もう子どもじゃないから色々悩んで、考えて。 でもまだ大人じゃないから、諦めきれず逃げられもしない。 もどかしさに思わず手を差し伸べてしまいたくなるような、傷付いた少女と少年。 それは誰しもたぶん、過去の自分の姿と重ねてしまう存在なのでしょう。 情けないくらいちっぽけで、未熟で、でも本当に本気で純粋だったあの頃の自分の分身が、ひとつひとつ確かなものを積み重ねるように自問自答して、爪先を前に向けて答えを見つけていく。 ……涙が出るほど切なく、胸苦しいほど懐かしく、声にならないほど愛しいです。 自転車から眺める原っぱの緑や、冷たい風を切る頬の赤い血色や、白い息が流れていく様が目に見えるような描写力。 そして淡々と隠し事も無く、胸が痛むほどひたすら正直で誠実な心理描写はもう、脱帽するしかありません! いいよさん、深く心に残る作品をありがとうございました。

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★★★★★
2015/12/29 23:41
空の青さという真実

何度も繰り返される今日という一日。 降る雨がまるで抜け出せぬ檻のように主人公を包み、惑わし、捕えます。 現在というリピートの中で、知らなかった過去を認識し、目を逸らし続けていた気持ちと向き合い、少しずつ主人公の今日が変わっていく。 『人生とは雨を恐れて家の中に引き籠ることでは無く、雨の中でダンスを踊ること』 以前、私が感銘を受けた言葉ですが、この作品の主人公にも通じる言葉です。 雨の中に飛び出し、打たれ、泣き喚き、それでも笑う。 そして厚い雲と暗い雨の向こうに確かに存在する、青い空を見る。 若い彼らはこれからも生きていきます。 その道は不確かで、なにが起こるか分からない現実という名の無情の世界。 それでも空の青さという真実を胸に刻んだ彼らは、今日を生きていくのです。 いいよさん、素晴らしい作品をありがとうございました。

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★★★★★
2015/06/08 16:33
胸がいっぱいです!

人には誰しも、忘れてしまいたい「過去」がある。 それが、耐えきれぬほどの苦しみを伴う過去なら? 忘れなければ、生きていけないほど辛い過去なら? その現実に直面した時、誰が、どんな形で、どう向き合うのか。 作者さま得意ジャンルの、ハードボイルド調で物語が進んでいきます。 読み進めるにつれて、「そうだったのか! ここはこう繋がるのか!」 と感心することしきり。 描写が丁寧で、かつ読みやすく、知らずに内容に引き込まれてしまいます。 銃と、酒と、タバコの煙が、匂い立つように切なくも哀しい。 そして傷付いた人々の生きる姿がたまらない。 物語は進むにつれて、どんどん加速していきます。 ラスト数ページは、心の中で悲鳴をあげていました。 どうぞこの世界に触れて、囚われてください!

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